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【日本学生支援機構(JASSO)の奨学金】学生の2.7人に1人が利用している国の奨学金制度。貸与型(第一種・第二種)と給付型の2種類がある。

貸与型は必要以上の金額を借りないこと

 日本学生支援機構の奨学金には、貸与型の「第一種奨学金」と「第二種奨学金」、そして返還義務のない「給付型奨学金」の3つがあります。
 メインとなるのは貸与型。第一種は無利息で借りられるものの、第二種(利息付き)に比べると学力基準や家計基準の目安が厳しくなっています。貸与金額は第一種、二種とも複数の設定金額から選択が可能。さらに規定の条件を満たす者は、希望すれば10~50万円を入学月に増額して受け取ることができます(入学時特別増額)。ただし、借りすぎてしまうとそれだけ卒業後の返還が大変になるので、借りる金額は事前によく検討しておきましょう。第2種は奨学金を受けている途中で月額を変更(増額・減額)することもできます。
 申込方法は、大学入学前に高校を通じて申し込む「予約採用」と、入学後に申し込む「在学採用」があります。予約採用は浪人生でも申し込めます(2浪まで)。予約採用の募集時期は春・秋・冬の3回あるのが一般的ですが、高校により異なるため希望者は早めに先生に相談しておくようにしましょう。なお、第一種はこれまで貸与基準を満たしていても予算等の関係で貸与できない場合がありましたが、平成29年度からすべての希望者が貸与を受けられるようになりました。

返還不要な「給付型」で進学を後押し

 平成30年度から本格的にスタートしたのが返還不要の「給付型奨学金」。経済的な理由で進学を断念せざるを得ない人の進学を後押しすることが目的のため、予約採用のみの申し込みとなります。
 申し込めるのは、住民税が非課税の世帯などや社会的養護を必要とする人。選考は、申込時までの成績や課外活動等を基に各高校がそれぞれの基準で推薦者を決定します。具体的な基準を知りたい場合は、高校に確認しましょう。
 なお、2020年度には、住民税非課税世帯などの学生を対象に、「国公立大学の入学料・授業料の標準額まで」、「私立大学の入学料・授業料の一定額まで」、また「下宿にかかる費用の一定額まで」が給付される大学無償化の制度も施行される予定です。

■日本学生支援機構「貸与型奨学金」の概要(2019年度予約採用の場合)
名称 第一種奨学金(無利息) 第二種奨学金(利息付き)
利息 なし あり(上限年3.0%)
学力基準 下記のいずれかに該当する者
①申込時までの高校の成績が5段階平均評価で3.5以上の者
②家計支持者の住民税が非課税で学校長の推薦を得られる者
下記のいずれかに該当する者
①申込時までの高校の成績が平均水準以上の者
②特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者
③大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
家計基準の目安 747万円以下(4人世帯の場合) 1,100万円以下(4人世帯の場合)
貸与金額 【国公立大学】
自 宅 月額2万円、3万円または4万5000円
自宅外 月額2万円、3万円、4万円または5万1000円
    (自宅通学の月額も選択可)
【私立大学】
自 宅 月額2万円、3万円または4万円または5万4000円
自宅外 月額2万円、3万円、4万円、5万円または6万4000円
(自宅通学の月額も選択可)
月額2万円~12万円(1万円刻み)
※私立大学の医・歯学の課程の場合、12万円に4万円の増額が可能。
※私立大学の薬・獣医学の課程の場合、12万円に2万円の増額が可能。
■日本学生支援機構「給付型奨学金」の概要
名称 給付奨学金
対象 ①住民税(所得割)非課税世帯、または生活保護受給世帯
②社会的養護を必要とする人(児童養護施設入所者など)
学力基準 JASSOのガイドラインを基に高校等が推薦基準を定めて選考を行い、推薦者を決定(推薦できる人数はJASSOが学校ごとに配分)。
支給金額 【国公立大学】 自宅 月額2万円/自宅外 月額3万円
【私立大学】 自宅 月額3万円/自宅外 月額4万円
※「社会的養護を必要とする人」には、上表の「自宅外通学」の月額を支給。さらに入学時に一時金として24万円を支給。