「給付型奨学金」は返さなくてよいもの
話題となることが多い「奨学金」、家計の中でも大きな割合を占める教育費、その中でも大学進学に関わる費用は、保護者にとって特に関心の高い事柄である。ここでは「日本学生支援機構」の「奨学金」について紹介する。
国の「給付型奨学金」は2017年度にスタートし、2018年度から本格実施された。そこで、奨学金制度を実施している団体「日本学生支援機構」の案内書をベースに、国の「奨学金」について、簡単におさらいをしてみよう。
まず、「奨学金」とは、学生本人に対して学資金をサポートする制度で、「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の2種類がある。
給付型奨学金 | もらえるもの (返さなくてよいもの) |
貸与型奨学金 | 返さなくてはならないもの (無利息と利息付きの2種類) |
貸与型奨学金は本人が月々受け取り、卒業後に本人が返すものが多い。
日本学生支援機構の「給付型奨学金」
2018年度から本格導入される「給付型奨学金」は、経済的理由により進学が極めて困難な学生が対象。詳細については、日本学生支援機構のホームぺージを参照してほしい。
(日本学生支援機構:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html)
家計基準 | ・住民税(市区町村民税所得割)非課税世帯の生徒。 ただし、第一種奨学金の家計基準を満たすこと。 ・生活保護受給世帯の生徒 ・社会的養護を必要とする人(児童養護施設入所者等) |
学力基準 | 一定の学力要件を満たすこと |
自宅 | 自宅外 | |
国公立 | 20,000円 | 30,000円 |
私立 | 30,000円 | 40,000円 |
給付型奨学金と併せて、貸与型奨学金の第一種奨学金(無利息)、第二種奨学金(利息付き)、入学時特別増額貸与奨学金(利息付き)も利用できる。
利用者が多い「貸与型奨学金」のキー
日本学生支援機構の貸与型奨学金は、自分で借りて、 卒業後に自分で返していく奨学金で、日本の大学生の2.6人に1人が利用している。「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類があり、それぞれの採用に学力基準と家計基準がある。
学力基準 | 家計基準の目安 |
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申込み時までの高校等の成績が5段階平均評価で3.5以上 | 申込時の家計収入(年額)が 747万円以下 【4人世帯の場合】 |
学力基準 | 家計基準の目安 |
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次のいずれかに該当すること ①申込時までの高校等の成績が学校の平均水準以上であること ②特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められること ③学修意欲があり学業を確実に修了できる見込みがあると認められること |
前年1年間の家計収入が1,100万円以下 【4人世帯の場合】 |
【申込時期】
「予約採用」と「在学採用」がある
・予約採用⇒高校3年の4月以降に、在学する高校で申し込む。申込先は、在学する高校の先生
・在学採用⇒進学後に、進学先の奨学金の窓口
【貸与月額】
毎月、本人の口座に振り込まれる
・第一種奨学金(大学)
国公立:自宅20,000~45,000円/自宅外20,000~51,000円
私 立:自宅20,000~54,000円/自宅外20,000~64,000円
・第二種奨学金(大学)
20,000円~120,000円(10,000円刻み)から選択〈私立大6年制課程は特別増額貸与の選択がある〉