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【総合型選抜・学校推薦型選抜】「英語民間試験」「国語・数学記述式」見送りの影響は?「共通テスト」はそのまま行く。

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「共通テスト」が実施されれば支障なし

 20年度入試では、超安全志向の受験生が増えて、AO入試や推薦入試の志願者が増加したという。早めに合格を手にして、安心したかったのだろう。
 今回の「共通テスト」の英語民間試験と国語・数学の記述式の見送りは、総合型選抜(現:AO入試)や学校推薦型選抜(現:推薦入試)に影響を与えなかったのだろうか。総合型選抜と学校推薦型選抜の実施方法などチェックしながら、それぞれの選抜方法について紹介してみよう。

「総合型選抜」:「志望理由書」がポイント

 現行のAO入試が「総合型選抜」として、21年度入試から実施される。

項 目 総合型選抜(2021年度入試から実施)
日程 9月1日以降に出願。
11月1日以降に合格発表。
学力検査 1.各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問など)、2.共通テスト
1.か2.は必ず採用する。
調査書 学習成績の状況(現:評定平均値)を記載。
高校生活を詳しく記録。枚数に制限はない。
資料(書類) 志望理由書・活動報告書・学修計画書などは生徒が書く。大学は積極的に利用。
【対策】 高校生活(部活動、生徒会、ボランティアなど)を充実させ、記録に残す。基礎学力を上げておく。小論文対策をする。

 国公私立大学が、上記の枠に従って実施する。学力検査において、共通テストでの「英語民間試験」「国語・数学の記述式」の導入が延期になっても、テストが実施されれば問題はない。現行のAO入試においては、原則的に学力検査はなかった。私立大学では、大学独自の評価方法が採用されることになるだろう。
 すでに文科省からは、2021年度からの選抜実施方法の新たな方向性も示されている。例えば、教科・科目の履修を前提としない評価方法として、自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法(小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技等)については、教科・科目に係るテストが実施可能となる2月1日よりも前から実施が可能であることを明確化するとしている。

「学校推薦型選抜」:「推薦書」がポイント

 21年度からは、現行の推薦入試が「学校推薦型選抜」として実施される。

項 目 学校推薦型選抜(2021年度入試から実施)
日程 11月1日以降に出願。
12月1日以降に合格発表。
学力検査 1.各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問など)、2.共通テスト
1.か2.は必ず採用する。
調査書 学習成績の状況(現:評定平均値)を記載。
高校生活を詳しく記録。枚数に制限はない。
推薦書 学校長が推薦する生徒の学力(思考力、主体性なども含む)の評価を書く。大学は必ず活用する。
【対策】 評定平均値(高3の1学期まで成績)を上げる。高校生活(部活動、生徒会、ボランティアなど)を充実させ、記録に残す。ポートフォリオを確実に書く。基礎学力を上げる。小論文対策をする。

 学校推薦型選抜では、学力の3要素「思考力」「判断力」「表現力」がチェックされる。
 「調査書」等の出願書類だけでなく、1.各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格、検定試験の成績等)もしくは2「.共通テスト」の少なくともいずれか1つによる評価を必須化する。
 「推薦書」において、1.本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素」に関する評価を記載すること、及び2.大学が選抜でこれらを活用することのどちらも必須化する。
 2021年度からの方向性では、高校の推薦を踏まえ、学力の3要素を多面的・総合的に評価するために必要な期間を考慮する。募集人員は現行同様、「学部等の募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲」とする。