男女共同参画社会の推進に寄与する著作に贈られる「昭和女子大学女性文化研究賞」。その第11回受賞作が石井香江・同志社大学グローバル地域文化学部准教授の『電話交換手はなぜ「女の仕事」になったのか:技術とジェンダーの日独比較社会史』(ミネルヴァ書房)に決定し、5月28日、同大学にて贈呈式が行われ、坂東眞理子理事長・総長から表彰状と副賞30万円が贈られた。
昭和女子大学女性文化研究賞は、坂東理事長・総長が「孤独だが、世の中を変える力のある本を書くという作業を応援したい」との思いから、自身の著書の印税などを寄付して坂東眞理子基金を設立。毎年、前年の1月1日から12月31日までの1年間に刊行した単行本を対象に顕彰を行っている。今回は29点の応募作品の中から、坂東委員長をはじめ、学内外の選考委員9人が「歴史的社会的な視点から、さまざまな資料を徹底的に丹念に考察した、高い独自性」と、石井氏の著作を評価した。
賞の贈呈式に続いて、石井氏による記念講演「見えないものに迫る方法:電話交換手はなぜ『女の仕事』になったのか」も行われた。石井氏は「的確に課題の指摘もいただき、背中を押していただいた。さらに研究に取り組んでいきたい」と抱負を語っていた。