【19年センター試験②】平均点は対前年比でアップ。上昇は国語+16.87点、リスニング+8.75点などが要因。

「生物」と「化学」の差で得点調整はなし

 大学入試センターは2月7日、1月19日・20日に実施したセンター試験の最終結果を発表した。1月25日に平均点集計の中間発表を行い、「科目間の得点調整はしない」とした。対象となる理科B科目、地理歴史B科目、公民の3科目で平均点の差(最大は理科で、生物と化学の差8.22点)が、20点未満だったためだ。
 対前年との平均点比較で差を見ると・・・
 主要科目(B及び②)において、対前年でアップしたのは、①国語+16.87点、②英語(リスニング)+8.75点、③数学Ⅱ・B+2.14点、またダウンしたのは、①倫理・政治・経済-8.86点、②地理B-5.96点、③化学-5.90点、④倫理-5.53点、⑤物理-5.48点、⑥世界史B-2.61点、⑦地学-2.24点――などの順だった。
 6教科・科目の過去3年間の平均点推移を見ると、隔年現象になっているのは国語、地理B、倫理、倫理・政治・経済、化学、リスニングの6科目。また、各科目の難易については、前年並み~やや易となったようだ。
 ちなみに、大手予備校等は理科や地理歴史・公民では平均点が前年より下がった科目があったものの、前年過去最低の平均点になった英語リスニングの平均点が一転して上がったほか、国語の平均点も上がったことから「7科目型」では、文理とも平均点が上昇すると予想した。
 平均点予想では、5教科7科目文系型(900点満点)は570点前後、5教科7科目理系型(900点満点)も572点前後で、前年より共に10点超高くなった。

私立大のセンター試験利用は2つの方式

 ここで私立大の「センター試験利用入試」について触れておこう。私立大のセンター試験利用には、センター試験の成績だけで選抜する方式と、センター試験と大学の独自試験を総合して選抜する方式(センター・独自併用方式を含む)がある。
 私立大のセンター試験の利用は、16年527大学、17年526大学、18年526大学、19年531大学となっている。大学によって方式が異なるから、大学の入試要項を確認する必要がある。

■19・18年度「センター試験」各科平均点の比較
教科名 科目名 19年 18年
国語
(200点)
国語 121.55
(60.77)
104.68
(52.34)
+16.87
地理歴史
(100点)
世界史A 47.57 39.58 +7.99
世界史B 65.36 67.97 -2.61
日本史A 50.60 46.19 +4.41
日本史B 63.54 62.19 +1.35
地理A 57.11 50.03 +7.08
地理B 62.03 67.99 -5.96
公民
(100点)
現代社会 56.76 58.22 -1.46
倫理 62.25 67.78 -5.53
政治・経済 56.24 56.39 -0.15
倫・政・経 64.22 73.08 -8.86
数学①
(100点)
数学Ⅰ 36.71 33.82 +2.89
数学Ⅰ・A 59.68 61.91 -2.23
数学②
(100点)
数学Ⅱ 30.00 25.97 +4.03
数学Ⅱ・B 53.21 51.07 +2.14
簿記・会計 58.92 59.15 -0.23
情報基礎 49.89 59.35 -9.46
理科①
(50点)
物理基礎 30.58 31.32 -0.74
化学基礎 31.22 30.42 +0.80
生物基礎 30.99 35.62 -4.63
地学基礎 29.62 34.13 -4.51
理科②
(100点)
物理 56.94 62.42 -5.48
化学 54.67 60.57 -5.90
生物 62.89 61.36 +1.53
地学 46.34 48.58 -2.24
外国語
(200点)
英語 123.30
(61.65)
123.75
(61.87)
-0.45
リスニング
(50点)
英語 31.42
(62.84)
22.67 +8.75

<注意>平均点の( )内の数値は、100点に換算したもの。
(大学入試センター:2019.02.07)
*19年センター試験では、国語やリスニングの平均点アップが大きく、受験者の平均点は文系、理系とも上昇。8割以上の得点者が前年より増加した。