【2020年度私立大学入試の特徴】ラストの「センタ-試験」で、有終の美を飾り、合格だ!! 専門職大学の増加は少ない。

【キーワード】 大学入試センター試験

20年度入試の受験生の流れを予測

 21年1月実施の「共通テスト」では、国語・数学で記述式問題が新たに加わり、さらに英語の民間資格・検定試験が活用される。受験生の負担は明らかに増加する。
 このような状況では、「20年度入試で合格してしまいたい」と考える受験生が増加するだろう。これらをベースに、20年度入試の流れ予測してみよう。
①安全志向が「超安全志向」になる
②入試時期が早いAO・推薦の志願者が増加する
③難関大学を敬遠し、中堅大学以下に流れる
④都市部の大学を諦め、地方の大学を選択する
⑤国公立大学から私立大学に変更する
⑥併願校数を増やして、チャンスにかける これら①~⑥の流れの中で、逆らってみると好結果が生まれる場合もある。つまり、難関大学や都会の大学をすべて諦めるのではなく、1つでもいいから憧れの大学を受験したい。

最後の「センター試験」で高得点を狙う

 私立大学の「センター試験利用入試」を活用する受験生も増えるだろう。「センター試験」はラストイヤーなのだ。センター試験では、平均点において「隔年現象」がよく見られる。また、問題レベルは、平均点が6割程度になるように設定されているが、毎年の結果では、科目によって平均点が上下する。
 19年度センター試験の平均点一覧を見ると、60点より著しく高い、あるいは低い科目は、60点を目指して修正してくる。例えば、19年度では国語と英語リスニングの平均点がアップした。20年度では、19年度地学平均点:46.34点、数学Ⅱ・数学B平均点:53.21点などに反動が起こりアップしそうだ。
 毎年、出題範囲が変わらない、問題の基本構成・形式に変化が見られないとなれば、過去問の分析をすれば出題傾向が見えてくるはず。最後のセンター試験なので、過去に類似問題ゆえに採用されなかった、ストック問題が出題される可能性が高いと予想される。それだけに過去問演習が重要になる。

合格者は確実に地方の私立大で増加

 日本私立学校振興・共済事業団は8月8日、入学者数が定員よりも少ない「定員割れ」の私立大学が今春は194校(33.0%)あり、前年(36.1%)より16校減ったと発表した。この傾向は、受験生が地方の私立大学を選択した証である。
 入学定員に対する入学者の割合を示す「充足率」はこの春、都市部の私立大を上回ったという。定員割れをしている私立大の割合も下がっており、事業団は定員管理の厳格化を求める文科省の施策が効果を上げているとみている。
 事業団は、通信制しかない大学などを除き、全国の587私立大学を対象に、今春の入学者の状況などを調べた。その結果、3大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫)の大学の充足率は102.51%だったのに対し、その他の地域の大学は103.20%で、この区分で集計を始めた12年度以降初めて、3大都市圏を上回った。
 このことは、逆に都市部の上位私立大学が難化していることを意味している。

専門職大学はもう少し増えてもいい

 20年度開設予定の大学などについて、大学設置・学校法人審議会における審議により「可」と判定されたのは、湘南鎌倉医療大学、名古屋柳城女子大学の大学2校。
 静岡県立農林環境専門職大学、東京国際工科専門職大学、びわこリハビリテーション専門職大学の専門職大学3校。なお、審査の過程で申請の取下げは21校、審査継続(保留)となっているのは19校。
 専門職大学は当初15校も申請していたのに、3校だけ「可」というのは寂しい。
 専門職大学のコンセプトからすれば、もう少し全国規模で増えてもいい。高校生からもニーズがあるはずだ。ちなみに、専門職大学には、文科省からの補助金はない。専門学校よりは深化した学びができることになっているが、4年制大学との競合はないと思われる。