【21年度「入試改革」情報①】ICT・AI・IoT時代に生き残るには、入試改革が必要だ。大学入学共通テストの特徴!!

【キーワード】 大学入学共通テスト

「30年ぶりの入試改革」の動機は?

 30年ぶりの入試改革が、20年~21年にかけて実施される。現高2生が受験するわけだが、センター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」)の、すでに進められている内容、及び最近の動向ポイントを紹介しよう。
【入試改革の動機】コンピュータやスマートフォンをはじめとするICT(情報通信技術)やAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの発展は目覚ましいスピードで進化しており、生活にも取り入れられている。
 また、ICTなどの発展は、世界のグローバル化を促す。それに対応するためには英語が必要になる。そして、少子化の日本が生き残るには、教育や入試改革が欠かせない、というわけだ。

国語・数学はマークシート式+記述式

 「センター試験」と「共通テスト」の相違点を、簡単に紹介しておこう。
【主な変更点】
(1)センター試験はすべての教科・科目の解答がマークシート形式だったが、共通テストではマークシート式に加えて、国語と数学は一部が記述式になる(今後、理科や地歴公民も一部は記述式を導入予定)。
(2)英語は英検やGTEC、TOEFLなどの外部検定試験を活用し、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価する。従来は、「読む」「聞く」だった。
(3)センター試験は「知識・技能」の有無を評価してきたが、共通テストはこの評価も行いつつ、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価を行う。

■大学入学共通テストのポイント
項目 「共通テスト」の特徴
解答形式 国語と数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aはマークシート式+記述式
試験時間延長 国語(100分)
数学Ⅰ、数学Ⅰ・A(70分)
英語の内容 「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価
成績 1点刻み。大学には9段階の評価も提供。国語記述式は5段階で総合評価。

実施は1月13日以降、最初の土・日

 文科省の大綱案によると、試験日はセンター試験と同様に「1月13日以降の最初の土曜、日曜」で、初回は21年1月16、17日。国語と数学Ⅰ、1・Aは、現行のマークシート式に加え記述式が導入されることに伴い、試験時間は国語が80分から100分に、数学Ⅰ、1・Aは60分から70分にそれぞれ延びる。
 英語では、民間の資格検定試験の活用を受け、現行の「筆記」から発音とアクセントの出題をやめ、読解力を重視する「リーディング」と改称する。
 また、大学入試センターが6月上旬に問題作成方針などを作り、試験の時間割や試験場、検定料などの詳細は20年6月ごろに要項で示す予定。

「正答率5割」が目標、従来は6割 文科省は「共通テスト」の完成度を高めるために、数回にわたって試行テストを行ってきた。大学入試センターも、共通テストの問題作成方針などを正式に公表した。知識のみに偏らず、思考力、判断力などを測れるよう工夫する。
 平均点が6割前後のセンター試験に比べ、共通テストは平均正答率5割程度が目標だという。複数の問題文や資料を読み比べたり、実験、観察の場面に基づいて図表を分析したりといった内容だ。
 また、数学で検討していた、文章記述の問題導入を初年度は見送る方針を決めた。昨年11月の試行調査で、正答率が低迷し、本番では数式のみを記述させる。
 問題は、国語と数学の記述式の採点だ。約2000人体制で作業(国語、数学各約7万人分)になる。
 「採点基準の作成⇒採点⇒点検⇒データ入力」をミスなく、短期間に行う。すでに、民間業者ベネッセ・グループの「学力評価研究機構」が担当すると決定している。公正・公平を必要とする採点作業だ。大学への成績提供は試験終了後、23日以内に必要になる予定。