【19年度「併願校」選定対策】確実に合格可能な1校を含め、少なくとも4校は受験。本命を軸に、難易度で選ぶ!!

【キーワード】

「本命」「相応」「確実」の3大学に分類

1.4つの入試方式を組み合わせて検討する
 国公私立大のうち、どの大学を志望しているかによって、準備の方法は違ってくる。国立大と公立大では、センター試験の受験が前提になる。しかし、私立大では、センター試験の受験を必ずしも必要としない。ここでは、私立大を受験するケースを中心に紹介してみよう。
 私立大の一般入試は、「4つの方式」に大別される。
 ①3教科入試(オーソドックスな記述式)
 ②センター試験利用入試
 ③全学部統一日程入試(各大学で呼称は異なる)
 ④得意科目重視入試(得意科目・2教科など)
 私立大の殆どで実施しているのが、①の3教科入試。②のセンター試験利用入試は、19年度入試で531私立大が実施予定。③は学部や学科数の多い大学が取り入れている。④は科目によって傾斜配点を行ったり、1科目を減らして2科目で受験できたりする。実施率からすれば、①・②が圧倒的に多い。

理科の負担が重く文系の人気が上昇

2.「理科」で併願校が変わるかも……
 併願校の決め方は、志望校を難易度で3ランクに分けて、本命と確実の組み合わせを考え、選定していく。
 入試難易度一覧を見ながら、志望校を①「本命校」、②「実力相応校」、③「合格確実校」の視点から3つに分けて、受験校を絞り込む。少なくとも4校は受験したい。つまり、①1・②2・③1の4校になる。併願5校の場合は、2・2・1校、6校は2・3・1校などにする。
 19年度入誌の理科では、科目指定に注意。前年1科目だったのが基礎とはいえ、2科目になった学部もある。併願校を決める場合は、注意しよう。
 地方会場入試も最近は増えている。交通・宿泊費が節約できるから、利用して受験校数を増やすことを考える。

入試日程がダブらないように調整すること

3.「入試科目」「入試動向」でチェックする
 先ず「入試科目」でチェックする。文系は英語・国語・地歴、理系は英語・数学・理科の3科目の大学が多い。今まで受験勉強でやってきた科目で、併願校を決める。入試が近づいてからの、科目の変更や増加は容易ではない。無謀であり、ほとんど不可能に近い。
 得意科目重視入試においては、自分の得意科目と大学指定の科目と一致した時に、④の方式を活用することを考えよう。一般的には、指定科目の得意な受験者が集まるので、激戦を覚悟してほしい。また、19年度の入試動向にも注意する。新学部は狙い目になるケースが多い。
4.「入試日程」の調整はいろいろな要素を考えて行う
 次に、「入試日程」を見てみる。志望大同士で受験日が同じだったりするケースがある。一般的には、日程がダプったら、第一志望の本命の大学を優先する。ただし、一方に「試験日自由選択制」「学外会場試験」がある場合は、それを活用して併願校にすることができる。
 また、大学にセンター試験利用入試や全学部統一日程入試、得意科目重視入試などがある場合は、入試日程を調整できるかもしれない。
 1日ずれていれば、2つの大学を受験できる。地方から都市部に出て受験する場合は、受験旅行の費用も考慮し、効率よく受験できるように日程を組むようにしたい。

学内併願には受験料割引のケースもある

5.「大学の内容」なども調べてみる
 志望大学の教育内容、就職・進学状況、大学のロケーションなどを調べてみる。「大学案内」にじっくりと目を通すのが基本。
 不況になれば、就職に強い大学を選定するのは常識。ひと頃は「就職氷河期」などという言葉も飛び出していた。就職率の良い大学を選び、入学してから意欲的に学び、実力をつけて卒業しよう。
6.学費の納入日、軽減・奨学金も考慮する
 合格した場合を想定して、受験予算(入学手続き完了までの経費)を念頭において併願校数を決める。納入金が無駄にならないように、調整する。
 同じ大学を2回以上受ける(学内併願)と、受験料を割引きしている大学もある。また、学費を下げた大学、奨学金を与える大学など、最近は優秀な学生を集めようと、大学はいろいろな対策を立てている。入試の成績が良いと、スカラシップ生になれる大学もある。