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【AO入試】「書類審査+面接」の選考パターンが多く、志望理由が重視される。導入する大学も増加中。

【キーワード】 AO入試

国公立大の半数以上がAO入試を導入

AO入試を導入する大学が年々増えている。2018年度には、国公立大学の50.3%に当たる85大学(240学部)がAO入試を実施。私立大学での導入率も8割を超えている状況だ。
ひと口にAO入試といっても、選考方法は大学ごとに異なる。一般的には、書類審査・面接(プレゼンテーション)・小論文などにより、受験者の能力や適性、目的意識、入学後の学習意欲などを判定して合否を決めるものが多い。
一般入試のような学科試験を受ける必要がなく、出願条件さえクリアしていれば高校からの推薦がなくても自由に出願できる。そのため受験生の人気も高く、今や大学入学者の1割はAO入試合格組。将来目標や自分のアピールポイントをしっかり持っている受験生であれば、積極的にチャレンジしてみたい入試方式である。

「書類審査+面接」タイプが主流

AO入試は、選考方法によって以下の5つのタイプに大別できる。
①書類審査+面接
②書類審査+小論文(作文)+面接
③書類審査+学力検査+面接
④体験授業+小論文+面接
⑤エントリーシート+面談+書類審査+面接
共通しているのは、どのタイプも「書類審査」と「面接」が行われることだ。なかでも面接は、AO入試では特別な意味を持っている。
そもそもこの入試は、大学側がアドミッションポリシー(入学者受入方針)として「期待する学生像」を提示し、それに賛同した受験生が応募する方法。当然ながら、面接では「期待する学生像」の視点から審査が行われ、この段階で「大学が示した像に合致していない」と見なされてしまえば合格は難しくなる。このように、面接で双方が顔を合わせて合否の「品定め」がされることから、AO入試は別名「お見合い型入試」とも呼ばれる。
また、書類審査に関しては、推薦入試よりも学業成績の評価基準が比較的緩やかな傾向にある。私立難関大の多くは評定平均値3.8以上としているが、特に基準を定めていないところもあり、各大学によってバラバラなのが実情だ。

■AO入試のスケジュール例

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早い大学は6月からエントリー開始

先ほど述べた5つの選考タイプの中で最も多いのは、①の「書類審査+面接」。私立大(特に中堅校)などでは、⑤の「エントリーシート+面談+書類審査+面接」がAO入試のメインになりつつある。
エントリーは、6~9月ごろに開催される大学説明会やオープンキャンパスなどで行われることが多く、エントリーシートに志望理由などを書き込んで提出する。
入試スケジュールや内容は大学・学部によって異なるが、エントリー・AO入試登録後、8月1日以降に願書受付が開始され、予備面接(9~10月)、内定・最終出願(11月上旬)を経て合格発表という流れで行われている。8月の出願前に、1~2回の予備面接(面談)やインタビューを実施している大学もある。

エントリーシートの記入は正確・丁寧に

エントリーシートは、各大学の「AO入試募集要項」に添付されているものを利用する。大学のホームページからダウンロードできる場合もある。
特に決められた様式があるわけではないが、履歴書のような用紙に「役員歴(生徒会活動・部活動)」「活動実績(部活動・ボランティア活動)」「資格取得(資格名・団体名等)」「留学・渡航経験」「将来の希望進路」「自分の長所・短所」「入学後に学びたい分野」「志望理由」「自己PR」などの記入欄が設けられている。
このほか、体育系学部などでは、「スポーツ活動報告書」にスポーツ活動歴(出場大会名、種目、年月、成績、公認最高記録等)なども記入する必要がある。
選考の重要な資料として取り扱われるので、正確・丁寧な記入を心掛けよう。

面接・書類審査で重視される「志望理由」

このエントリーシートは、大学側が受験生の経歴を知り、高校生活が充実していたかどうかなどを判定する材料になる。なかでも、特に重視されるのが「志望理由」の項目だ。シートとは別に専用用紙を付けている大学も多い。
志望理由書は面接の資料にもなるため、別紙に下書きし、しっかり文章をチェックした上で所定の用紙に記入しよう。理由書に記述する主な内容は以下の通り。
①将来の目標(どのような仕事・研究をしたいのか)
②修得すべき知識・技術(将来の目標のために大学で何を学びたいのか)
③この大学(学部)を志望した理由(授業への期待や、学習・研究に対する熱意)
作成の際は、大学が掲げる「期待する学生像」を意識して書くのがコツ。ネットなどの資料を書き写すのではなく、自分の考えを自分の言葉で書くことが大切だ。①については、自らの体験・過程なども交えて書くと説得力が高まる。
また、完成した志望理由書は、提出前にコピーを取っておけば面接対策にも役立つ。コピーを基に自分で想定質問をつくって質疑応答のシミュレーションをするとよい。

面接で求められる「プレゼン力」

AO入試の面接では、エントリーシートや志望理由書をベースにした質疑応答が中心になる。受験生は、大学の面接官の質問に答える形で、自己PRや志望理由の説明などを行うことになる。これはたとえて言えば、自分という「商品」を大学側に強くアピールして売り込むようなもので、広義のプレゼンテーションといっていい。
大学側から高い評価を得るためには、限られた時間内にプレゼン内容を理解してもらい、かつ相手を説得するための工夫が必要になる。
そこでまず勧めたいのが、準備段階で自分の歴史を振り返るための「自分史」を作成し、自分の長所や得意分野などを客観的に把握する方法だ。それらを将来目標や、大学で学びたいことなどと結び付け、熱意をもって説明することができれば説得力も高まる。また、前述したように、面接は大学の「期待する学生像」の視点から審査が行われるため、学生像と合致していることも強調しよう。
なお、面接については、小論文とともに「推薦入試」(P.10~)の項で詳述しているので、そちらも参照していただきたい。

  説明する内容
■「プレゼンテーションの流れ」
①要点 将来の進路・目標は何か、その実現のためになぜこの大学を志望したのかを説明
②理由 進路・目標を決める動機となった体験、思いなど
③実例  進路・目標を実現すれば、どのような社会貢献が可能か
④要約 目標の実現のための知識・技術を修得するにはこの大学の環境が不可欠なことなど、入学や勉学への意欲をアピール